りりりーん
NHKの人から電話があった。
「ファンキーさんおめでとうございます」
「何の話ですか」
「いや、またまたー、尹さんから聞きましたよ」
「そうなんですよ、二人めでしょ。でも仕込まれたばっかりで予定日はまだ先ですよ」
「誰があんたの子どもの話をしとんですか。賞ですよ、でっかい賞もらったらしいじゃないですか」
「何の話です?」
「またまたー」

全然話にならん。どうも私の知らんところで大変なことが起こっとるらしい。
MailをCheckしてみた。

Subject:   おめでとう
Date:   Mon, 1 Sep 97 15:02:51 +0900

今日北京から一冊の「栄誉証書」が私の手元に送られてきました。
中には、「十大金曲"猜愛"作曲賞」と書かれています。
ということは、この曲は中国原創歌曲総合ランキングで('97年第二期)作曲賞を受賞したのです!
ひょっとしたら、この賞を受賞した日本人は今回「方奇」で始めてではないでしょうか。
画期的な快挙と言えましょう。

今回の授賞式を主催したのは中国軽音楽学会、中国音楽生活報、広州電視台、上海電視台その他中国全国56局のテレビ局でした。

ちなみに「証書」は私は預かっていますので、方奇さんの都合の良いときに渡したいと思います。
本当におめでとうございます。

サウンデイジアの中国人スタッフなのだが、結局何なのかようわからん!
仕方がないので翌日会社に行って見た。

「ファンキーさんおめでとうございます」
「結局のところこれって何なんですか」
「いやー僕も実のところよくわかってないんですよ」

北京にすぐ問い合わせて!

その間、社内で細々と授賞式をやってみる。
「この度は」
「ははー、謹んで」
・・・・・しかし日本側の誰もがこれがどんな賞なのかはっきりとわかっとらんのだから盛り上がろうはずがない。

以下はその後かき集めた情報である。

1、この賞は年に4回選定される北京だけではなく全中国を対象とした賞である。

2、授賞式は8月25日上海で行われ、ここには選ばれた歌手と、その事務所の人間2名のみが出席し、その模様は全国にテレビ放送されるが、会場での写真、ビデオ撮影は禁止であった。

3、賞は受賞した楽曲の作曲者にも作曲賞として授与されるが、作曲者には歌手の所属事務所を通して賞状が手渡される。

「それって結局レコード大賞みたいなもんなの」
「そうですねえ、でも毎年1月には4季の総合を決めるんで、むしろグラミー賞みたいなもんでしょう。中国グラミー賞!
「何じゃそりゃ!」

こうして誰も参列しない授賞式は終わり、中国式にご大層な賞状は私の鞄に無造作に詰め込まれ、自宅に持ち込まれ部屋に放り出され、あわやガキの落書き張にならんとしてたその瞬間、嫁がそれを発見し、私に問いただした。

「あんた、さっき言ってたのってこれのこと?」
「そうだけど」
「ひえーっ!ダメじゃない、ちゃんとしまっとかなきゃ」
態度が心なしか慌てている。
「これって結構大きな賞なの」
むちゃくちゃでかい!
「ふーん」

かろうじでガキの落書き張になる運命は免れたものの、本人としてはまだことの大きさがわかっていない。
再びMailチェックしてみた。
そしたらあるわあるわお祝いのMail。

 

Subject: .おめでとうございます
Date: Tue, 2 Sep 1997 10:09:35 +0900
From: (kimio Ito)

方奇 さま

このたびの受賞おめでとうございます。
まさに「快挙」ですね、かさねがさねおめでとうございます。

 

Subject: おめでとうございます!
Date: Tue, 2 Sep 1997 15:13:45 +0800
From: izumi yamamoto

 Funkyさん、お久しぶりです。北京で暮らす山本いずみです。お元気ですごーくお忙しいことと思います。

「中国原創歌曲総評榜'97第二期十大金曲≪猜愛≫作曲賞」を受賞されたと聞きました、おめでとうございます!
日本人が受賞したということがすごい、というより、中国の人にそれだけ受け入れられる曲を作曲するということがすごい!と、北京で暮らして中国の人の音楽の好みが少しずつわかってきたので、思います。

 

Subject: Re: 上海行き
Date: 2 Sep 97 17:56 JST
From: YOSHIFUMI.KIRIYAMA

(追伸)本日、中国音楽祭の作曲賞を受賞された旨伺いました。おめでとうございます。
今後とも益々の御活躍をスタッフ一同お祈り申し上げます。

 

Subject: Congratulations!
Date: Tue, 02 Sep 1997 23:05:44 +0000
From: kane

今回は受賞おめでとうございます。
中国での活動が認められてきましたね。
大きな発展につながることをお祈りいたします。

また小生もよい刺激として中国での仕事の励みにしたいと思います。

 

みなさま激励どうもありがとう御座いました。
みんな業界人だなあ、と思ってたら、
当たり前じゃ!こんなこと業界の人間しか知らん。
と言うわけで勝手に引用させて頂きました。
ネタに使ってすみません。

そして携帯電話が鳴り続け、北京から、また日本在住の中国人からお祝いの言葉を頂く。
それ言うためにわざわざ経費で国際電話して来んなよ安田!
コレクトコールじゃなくてよかったけど。

と言うわけでちょっとその気になって来た私でございます。
しかし日本での生活のどこが変わるかと言えばどこも変わらん。
アジアブームなどと言われててもしょせんはこんなもんなんですよ。

1997年9月4日 方奇(Funkyの中国名)


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