ファンキー末吉とその仲間達のひとり言

----第80号----

2003/04/08 (火) 13:40

SARS

前回(http://www.funkycorp.jp/funky/ML/79.html)北京から、
深セン→北京→ラサ→成都→日本と言う肯定で帰国したら風邪をひいた。
温度差と気圧の変化たるや物凄いものなのでまあ当たり前と言えば当たり前なのだが、
日本に帰ると「重症急性呼吸器症候群(SARS)」の報道たるやすさまじく、
「香港に行く→SARSになる→死ぬ→日本に伝染→日本は滅びる」かのような報道で、
そのニュースを見たワシの高知の親戚、明子おばちゃんがわざわざメールを打って来た。

覚ぅ、早ようマスク持って行かんといかんぜっ!!
あんた変な肺炎にかかったらおおごとのがやき
ちゃんともっていきよぉ!! 
高知へもって帰ったらいかんぜ!! 
ホント狭い街やき直ぐわかるき
音楽がニュースに出るがはえいけど・・・。
早ようにちゃんとマスクしちょきよ!!

明子(代打:哲二)

潜伏期間内に見事に広東省に行ってるわけだから、
こりゃひょっとしてSARSとちゃうかと疑われながら、
くしゃみ、鼻水、咳のまま五星旗のライブを行う。
熱が出てないからちゃうと思うんやけどなあ・・・

まあ体力的には問題ないのだが、
どうもバラードとかの間に咳やくしゃみが出るのは都合が悪い。
お客さんもジョークとは知りつつSARSネタを出すと引いてしまうようだ・・・

翌日そのままXYZの4枚目のジャケ写撮りに向かうが、
心なしかメンバーの態度もよそよそしい気がする・・・
名古屋への移動のついでに高知に寄って(よけい遠いやないかい!)、
テレビ高知におじゃましてプロモーション等させてもらうが、
マスクをしたワシの顔を見ただけでみんな引いてしまう・・・

ワシ・・・いつSARSに感染してもおかしくないキャラクターなのね・・・

心配になって医者に行くが、別に症状は全然違うのでSARSではないと診断され、
そのまま名古屋でXYZのライブ。
風邪だろうがSARSだろうがこんな修羅場では関係ない。
ヘロヘロになって1ステージ叩き終えると
さすがに風邪も吹っ飛んでしまったような気がする。
汗は出るし体温は上昇するしアドレナリンは多量に分泌されるしねえ・・・
何より死にそうな状態になるんやから風邪どころじゃない。
SARSで死ぬよりライブで死ぬじゃろう、きっと・・・

翌日はそのまま朝いちでヤマハの浜松本社に呼ばれ、
ヤマハの中国進出の相談を受け(何やる人なんじゃろ・・・ワシ・・・)、
そのまま成田に直行する。

さてもうすぐ飛行機に乗り込んで北京へと言うその時、二井原からMailが入る。

「ファンキー、北京はえらいこっちゃでぇ!
SARSのため病院とかも封鎖されて、
何やら外国人領事館からも患者出てきてて
外国人が住むアパートなんかも消毒したり隔離されたり、
Jazz-yaのあるあのバーストリートも映っててもう大変らしいでぇ・・・」

ほんまかいな!
北京の安田に電話してみる。

「そうなんですよぉ。
昨日Jazz-ya分店の近くの国貿ホテルの客もSARSで死亡して、
国貿の店も半分以上しまってるし、うちも客足に影響が出てます。
19日、20日の三井はんと大村はんのライブどうします?」

日本からわざわざライブやりにやって来て、
もらいたくもない病気もろて死なれてもシャレにならんしなあ・・・
・・・でもそのライブの音源ってひょっとしたら話題になってえらい売れるかなあ・・・
売れん!売れん!あの人ら、命を代償にしても絶対売れへん!!!
延期!!延期!!!(そんな問題やろか・・・)

と言うわけで御両人にはMailで伝達し、
問題はワシ自身このまま予定通り北京に行くかどうかである。
チケット捨てて東京に居残る選択肢もあるが・・・

ふとOutlookの受信メールに目をやる。
「我想[イ尓](I miss you):中国語ではI love youの最上級の意」、
「早く帰って来いよ」と言うMailが目に入る。

今度プロデュースをやることになった零点(ゼロ・ポイント)のドラマー、
http://www.funkycorp.jp/funky/ML/78.html
今度Hip Hopユニットでデビューが決まったデブのキーボード奏者、
金魚のウンコのようにいつもワシについて来るパンクドラマー・・・

男ばっかやないかい!

まあ男でも想ってくれる人がいるだけよい。
「人間の盾」の気持ちで(ちょっと違うと思うけど)このまま飛行機に乗ることを決意。
生まれて初めて空港で海外旅行保険なるものを購入した。
これ・・・重症急性呼吸器症候群(SARS)にも有効なんやろか・・・

さて北京に着いた。
あらゆる友人に電話をする。
「肺炎大丈夫か?」
しかし誰に聞いても中国人はさほど無関心。
「肺炎?手ぇ洗ってうがいしてれば大丈夫!」
とか、ひどいのになると、
「薬屋で何たらっつう薬買って飲んどけば大丈夫!」

そんな薬あったらノーベル賞もんやと思うんですけど・・・

リハーサルのため空港から直行でS社長のスタジオに着くと、
マスク等で重装備のワシの格好を見てみんな大笑い。
「は、肺炎は?・・・」
「大丈夫、ここみんな肺炎だから・・・」
とジョークで返される。

日本で大騒ぎはされてるものの、
ひょっとしたら香港なんかでも庶民はこんなもの?
バグダットの市民が爆撃の中けっこう通常に暮らしているように?・・・

中国では情報が国によって管理されているので市民に知らされてないのかと思い、
インターネットとかで自力で検索する。
あとは日本からの情報である。
大使館からの情報等もいろいろ参考にする。

しかし、人ごみは避けろと言われてもワシ・・・それが商売なんですけど・・・
そのまま中国人オーケストラとの競演のためリハーサル。
立派に人ごみなんですけど・・・
明日は1000人のホールで演奏。
人ごみなんですけど・・・
次の日は上海に飛んで学園祭・・・
人だらけなんですけど・・・

しかたないので自衛するしかない。
体力のない順に感染すると言う話なので、よく食ってよく寝て・・・

・・・こっちの生活そのままやないかい!・・・

なんか疥癬になった時を思い出すんですけど・・・
http://www.funkycorp.jp/funky/ML/26.html
まあ疥癬で死ぬことはなかったけど、
こっちは命に関わるのでせいぜい気をつけることにしましょう。

「重症急性呼吸器症候群(SARS)」って必ず死ぬわけじゃないのよ・・・

ファンキー末吉@意外と平穏な北京にて


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