ファンキー末吉とその仲間達のひとり言

----第31号----

2000/11/05 17:10

大阪よいとこ一度はおいで

今日が大阪芸大の学際と言うことで前乗り(前前乗り?)して大阪に入ってた。
宿は大村邸があるので別に経費がかかるわけではなく、
まあ経費と言えば夜な夜なの飲み代ぐらいであろうか・・・
(これがまたべらぼうにかかるのであるが・・・)

大村邸の近所に「へんこつや」と言うホルモン屋があり、
今回「三井はんと大村はん」のCDジャケットにもなったこのDeepな店なのだが、
またここの白ホルモン盛り合わせがまた絶品!

ホルモンと言うのは「ほおるモン」と言う関西弁から来ていると言う話をご存知か。
一説によると戦後の被差別と貧困に苦しむ関西在住の在日朝鮮人達が、
牛の内臓をきれいに洗って調理すると美味いことを発見し、
ふつうは「ほおるモン」だったものを「ホルモン」として売り出したと言う話である。
言わばこれは関西が生んだ世界に誇れる食文化ではあるまいか。

LAのコリアンタウンにはよく言ったが、
そこでのホルモンはとてもじゃないけど食えたもんではなく、
日本の、しかもここ大阪のホルモンの美味さには下を巻く。
特にここ、「へんこつや」の七輪で焼くホルモンは絶品である。

ところがこのへんこつや、儲かっているのか最近ドアをつけた。
昔は寒空に肩を寄せながらノレンを潜って一杯だったのが、
今はドアを開けて一杯である。
寒くなくてええではないかと言う声もあろうが、
密室の中で七輪でホルモンを焼くと言うのも一種拷問である。
風呂上りにいつもここに来るが、
風呂の意味はビールを美味くする以外にはない。
煙にまみれながら目を擦りながらホルモンにマッコリ(韓国の濁り酒)をすする、
これまた関西の文化である。

昼間は四つ橋線に乗って東梅田まで出る。
梅田駅の方に歩いて行くと、
御堂筋線の乗り口の横に立ち食い串カツ屋がある。
カウンターには揚げたての串カツがならび、
キャベツのぶった切りとソースの壷がある。
好きな串カツを選んではソースをつけて勝手に食うのである。
キャベツは無料だが、衛生上ソースの二度付けは禁止である。

ソースの二度付け禁止と言えば、
東京での自宅近所にある武蔵小山の立ち食い焼き鳥も有名だが、
そことこことの大きな違いは、
カウンターの中のおばちゃんであろう。

東京の人間と言うのはあんまし喋らんのか?
それとも関西のおばちゃんが喋り過ぎるのか?
とにかくこの串カツ屋のおばちゃんは何やらずーっと喋りまくってるので、
こうしてひとりでふらっと言ってもたいくつしない。

そう言えば俺って東京でおるときよりも関西での方が有名なんか?
なんか街を歩けばおばちゃんに振り返られる。
やはりNHKの影響力は偉大だが、
大阪のおばちゃんだけが中国語を学習してるわけではあるまい。

二井原とふたりでXYZのキャンペーンに行ったが、
レコード店でファンに捕まってサインや写真撮影はまあよかろう。
問題はそれを店の外から取り巻いて見ているおばちゃん達である。
「ファンキーはホンマ有名人やなあ、おばちゃんばっかり・・・」
とは二井原の感想であるが、
そのおばちゃん達は俺のことを何をやってる人と思てるんやろ・・・
CDのキャンペーンのためにCDショップを表敬訪問してるとは夢にも思うまい。
「中国語の先生がCD買い物してはるわ」
ぐらいの認識ではあるまいか・・・

二井原曰く、
俺が別に関西だけ特別に有名なわけではなく、
東京では「あ、あの人や」と思うてもそれを態度には出さないだけらしい。
やっぱ関西人は偉大である。
いろんな諸外国に行って、
大きな声で話してる日本語を聞くと、それは必ず関西弁である。
日本のラティーナと言っても過言ではあるまい。

さて話はまた食い物に戻るが、
関西で一番好きな場所と言えば、生野区のコリアンタウン近くである。
金ちゃんと言う在日朝鮮人の女の子と北京で知り合い、
今ではその一族と家族ぐるみで付き合っている。

初めて金ちゃんちに行った時はちょうどお姉ちゃんの結納の日で、
朝鮮料理がテーブルじゅうに並び、
近所のキムチ屋のおばちゃんがお土産にキムチやらいろいろ持たせてくれ、
若いモン連れて23時間営業のデラックス銭湯に行き、
その辺で冷麺などをすすると、もうこの街を後にしたくなくなる。

そんな中で発見したとある韓国食堂。
韓国人のおばちゃんがひとりでやっているのだが、
これが日本語はまるでと言っていいほど喋れない。
身振り手振りで注文をし、
おばちゃんは作るのに忙しいので生ビール等は自分で入れる。
ポッサム・キムチとか何たらチゲとか、
むちゃ美味い料理が数多く並ぶのだが、
金ちゃんとか金ちゃんのお母さんとかがいないと通訳する人がいないので
同じ料理が出て来るかどうかはもう運しかない。

メニューにはマッコリは置いてないのであるが、
どうしても飲みたい時には
「マッコリ、マッコリ・・・」
と連呼していると、どこやら電話をして韓国人のお姉ちゃんが買ってきてくれたりする。
これもまた運である。

もう何度も通っているので
おばちゃんも「あの日本人がまた来た」のノリで非常によくしてくれるが、
また来てね、のつもりでもらった電話番号も、
俺が韓国語を喋れない限り無用の長物である。

さてこの辺の名物もデラックス銭湯なのであるが、
大村はんの近くには極めつけ「摂津の湯」と言うのがある。
関西の銭湯の料金は東京よりは安いが、
げせないのは「洗髪料」と言うシステムである。
10円と言う安さではあるが、これはひとえに自己申告制で、
髪の毛を洗う人だけが申告して払うと言う、
言わばこれも関西人の人のよさを表しているシステムではあるまいか。

しかしこう言うファジーなシステムがまた関西なのであろうが、
問題は大村はんのようなハゲである。
もともと洗髪をすると水をたくさん使うからと言うシステムなのであるが、
ハゲはどうなるのだろう・・・

またこのシステムはズルをした人間が髪の毛が濡れていることによって摘発されるが、
ハゲの場合はその証拠が残らない。
いや、それ以前に、
顔を洗っていておでこの延長で頭までつるっと洗うのは洗髪か・・・
いや、洗髪とは髪の毛を洗うものであって、
頭皮を洗うのは洗髪ではあるまい・・・・

そんなことを考えて夜も眠れない大阪の夜である・・・・

さて今日のお題。

岡崎はん、ついに退院!

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動脈瘤によるクモ膜下出血により一時は生死の淵をさまよってた
五星旗のギタリスト岡崎猛が
医者も驚くほどの奇跡の回復力を見せてついに退院した。

退院と言っても当然ながら全快と言うわけではなく、
通院しながら自宅療養、そしてリハビリである。

本人からMailが来ているので皆様にご紹介。

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題名: まぐまぐ〜〜のせて

みなさん、今回は本当に心配かけました。
11月3日に退院することができました、体力的にも
まだまだですが無事自宅療養までこぎつけました。

いやはや、今回は本当にまいりました。
自転車で軽い気持ちで病院に来たつもりが、
こんな事になるとは夢にも思いませんでした。
脳動脈瘤が二つ。
一つは今にもはじけそうな1・7センチもあるそうで
まだ調べてみるから他にもあるかも?
といわれた時は 結局なかったが
死刑宣告されたような気持ちで、目の前が真っ暗になりました。

それからはとりあえず、仕事先に電話を入れそのまま入院、
そこまでが僕の記憶であります。
それから20日意識がなく、後から自分におきた病状を知る事になりました。
生きてこうやってメール打ってるのが奇跡みたいなものだとゆうことが・・・

と言うことで人間僕みたいに温厚に生きてても一歩先は分からんもんですね〜

二回もらった人生何かないかな〜?
と思ったがやっぱりギターが好きなので
またリハビリしてへたなギターに磨きがかかるようにがんばります。

岡崎 猛

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と言うわけで岡崎はん、リハビリ頑張ってくらはい。
わては大阪で飲んでます。

ちなみに大村はんはやっぱり洗髪料の10円は払ってないそうです。

では。

ファンキー末吉


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