ファンキー末吉とその仲間達のひとり言

----第132号----

2008/02/09 (土) 12:21

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子供生まれてワシ、ついに神となる(何じゃそりゃ?)

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48歳にして第三子の誕生である。
この子が成人する頃にはワシは70に手が届こうとしていることになる。

生きとるやろか・・・

それはよい。
人類最大の痛みと戦いながら子供を生むのは「女」と言う高尚な生き物である。
ちなみに嫁にとっては第一子。

どれぐらい痛いのかと言うと、
聞いた話によると「男」が小便をしてそのままキン○マをチャックで挟んでしまい、
もんどおり打ってひっくり返ったところに運悪く金属製のポールがあり、
「キン!」と言う金属音が出たとか出ないほど強く打ちつけてしまい、
ぱんぱんに腫れあがったキン○マを子供がサッカーボールと間違えて思いっきりキックしてしまい、
「これでは死んでしまう!」とばかり消毒液と間違えてタバスコを振りかけてしまった・・・
と言う痛さの更に47.5倍ほど痛いらしい。

「男」なら必ず気が狂うと言うほどの痛さらしいが、
それを「女」と言う生き物は気絶することもなく、
麻酔とか科学の力を借りることもなく自力でそれを乗り越えて出産するのであるから
尊敬の念を通り越して偉大としか言いようがない。

ちなみにワシの第一子は、
ワシが病院の食堂でステーキ定食を注文し、
不謹慎だがビールを頼もうかと迷っている瞬間に生まれた。
第二子はレコーディングで2バスを踏んでいる時に生まれた。

そして嫁代わり、第三子となるのであるが、
立会出産とまではいかなくても、
今度は嫁のそばでこの偉大なる作業を見守ろうとスケジュールを押さえていたのじゃが、
それはこれ、ここは中国ではないのでそうそうスケジュール通りに生まれはしない。

中国ではスケジュール通りなのか?
それが実にスケジュール通りなのである。

ある日のこと、とある音楽仲間から電話があって、
「明日スケジュール空いてるか?」
と言うので
「空いてるよ。どうしたの?」
と答えると、
「言わなかったっけ?明日俺の子供がうまれるんだ。パーティーやるからおいでよ」
と来る。
生まれるんだと言われても、
ワシも一応2月13日が予定日ではあったが、
別にその日にパーティーをブッキングしたりはしない。

頭の中ムルンピョ(疑問符)ばかりでパーティー会場に行くと、
場はまさに生まれたばかりと言うほど大盛り上がり。
「生まれたの?」
と聞くと、
「生まれたさ。今日だって言ってあっただろ」

????

お前らレコーディングとなっても全然時間守らんのに、
子供生むとなると何でこんなに時間に正確なの?・・・

中国の女性はこんなにも予定日ぴったりに出産するのか・・・
ムルンピョ(疑問符)だらけのワシの顔を見て、
ははぁ・・・とばかり彼は言った。

「日本では帝王切開はしないのか?」

そうなのである。
今日び、中国でお金持ち層の人たちはまず帝王切開で出産するのである。
お金持ち層の女性が出産で苦しみたくないのか、
いやいや、それよりも何よりも大事なことが・・・

・・・風水・・・

そう、何月何日の何時に生まれた子供は風水がよい!
それに合わせて正確に帝王切開で出産するのである。

恐るべし中国人・・・

ところがうちの(今度の)嫁は日本人・・・
それほど風水が大切か?自然分娩に勝るものなかろう・・・
と言うわけで日本で出産である。
当然ながら子供とてそうそう予定通りに出てきてくれはしない。

予定を2週間早まって破水したその時、
ワシは北京で見事に酔いつぶれていた。
不謹慎極まりないと言うことで罰があたり、風邪まで引いている。

その日はWingの工人体育館でのコンサートのゲネプロであり、
ワシは携帯電話を首からぶらさげながらドラムを叩く。
携帯が鳴ろうものなら全ての作業は中止である。
「生まれたか・・・」
アーティスト、スタッフ全てがかたずを飲んでワシを見守る。

「間違い電話でした・・・」

作業続行。
ここが関西なら全員がその場でずっこけていたことだろう。

そして陣痛が始まったと言う連絡を受けた頃ゲネプロは終わり、
ワシは突然呼び出されたレコーディングへとかけつける。

そこでももちろん携帯を首からぶらさげながらドラムを叩くが、
夜中に叩き終わっても連絡なし。

Wingが用意してくれたホテルに帰ってからメールが来た。
「今、分娩室に入りました」
嫁のお母さんである。
出産の大先輩である。
偉大である。

そして無事出産!
男の子である。

名前は「龍之介」。
中国の暦で「丁亥の年、寅の刻」に生まれた「龍」である。
縁起が良いことこの上ない。

しかしこの髪の毛のもじゃもじゃが・・・

 

よし、ワシもどうせ親父としてろくなことはやってやれんが、
せめてこの子のために頑張って最高のドラムを叩いてやろうじゃないか!!

まるでこの日は我が子の誕生パーティーさながらの盛り上がりの中、
円形ステージのど真ん中にセットされたドラムセットで叩きまくる。
「神が降りてくる」とでも言うのか、「息子が龍になって降りてくる」とでも言うのか、
確かにこの日のワシのドラムは神がかっていたかも知れない。
全てのアーティスト、スタッフはこの日のワシをこう称賛した。

「お前、もう亜洲鼓王(アジア・ドラム・キング)どころじゃない。
今日からお前は亜洲鼓神(アジア・ドラム・ゴッド)だ!」

龍を生んだのワシではなく嫁なんですけど・・・
ま、いいか・・・その名に負けないぐらいワシ・・・頑張るのじゃ!

ファンキー末吉


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