ファンキー末吉とその仲間達のひとり言

----第109号----

2005/05/07 (土) 12:15

Sonyのエアーボードと言うテレビを購入して北京に持って来た。

このテレビはなかなかすぐれもので、
本体を東京に置いてモニター部分だけを外国に持って来て、
それをインターネットにつなぐことにより、その本体の映像、
つまり日本のテレビ番組がそのまま外国で見れるのである。

ただし設定が非常にややこしく、
本体に固定IPアドレスを割り当てたり、これはとてもじゃないけど素人さんには無理である!
せっかく買ったのに北京で見れないのはあまりにくやしいので、
本体をファンキー荘https://www.funkycorp.jp/funky/ML/107.htmlに置き、
設定全てを住人Cに全部任せて北京に発つ。

彼の涙ぐましい努力により
やっと北京からインターネット経由で本体につながったのはいいが、
こちらの回線って遅いのよねえ・・・特に海を越えると・・・

カクカクの画面と途切れ途切れの音声で、
まあニュースぐらいなら字幕もあるし何とか見れないことはない。

と言うわけでこうしてやっと日本のテレビを見れるようになって思ったのが、
なんと日本では中国での反日感情のニュースが多いことよ!

そんなにヒドイかなあ?・・・

まあ住んでる世界が違うので縁がないんだろうけど、ワシなんか
「今日は大規模なデモがあるから外に出ない方がいいよ」
と言われてたその日に北京の若いバンドのライブに行き、
カウンターでビールを頼む時に「日本人か?韓国人か?」と聞かれて胸を張って
「日本人だよ」と答え、
結局ライブ終了後にそのバンドの連中と客のほとんどを連れて
ドメスティックな中華料理屋で日本人を囲んでドンちゃん騒ぎを繰り広げていたが
別に投石されることもなく酔い潰れてちゃんと家まで連れて帰ってくれてた。

中国のお偉いさんが世界の中でもどれだけ頭がいいかは前々号
https://www.funkycorp.jp/funky/ML/107.htmlでも書いたが、
薄っぺらい切り口の日本のマスコミには考え付かないようないろんなもくろみを
このお偉いさん達は全部計算してやらせているんだと言う噂がある。

1、国民のうっぷんの矛先が新政権に向かないようにする
2、政治運動が勃発しやすい五・四運動を前にして、国民を国内問題から気をそらせる
3、文化革命の時代の壁新聞よろしく、
挑発してやらせるだけやらせといてその首謀者をリストアップしてブラックリストを作成する

まあもっともな話だが、
大規模デモの日に中国人ロッカー集めてドンちゃん騒ぎをしている日本人には
今後もどの道関係がなさそうな話である・・・

ところでその日一緒にドンちゃん騒ぎをしていた若いバンド、
布衣(ブーイー)楽隊と言うのが、前号
https://www.funkycorp.jp/funky/ML/108.htmlで書いた、
唐朝のベーシスト、ZhangJuの追悼アルバムで私が1曲担当したバンドである。

バンド肌であるワシとしては、どうしても
「スタジオで初顔合わせで現場でヘッドアレンジすればいい」
と言うレコーディングのやり方には納得がいかず、
「どうしても彼らのリハーサルに参加して一緒にアレンジしたい」と言い張り、
じゃあと言うことで単身そこに行って見てびっくり!

五環路(東京で言うと環八か?)の更に外側のとある貧民街に
メンバー全員が院子(ユエンズ:長屋みたいなもん?)を借りて住み、
そこに機材を入れて練習場にしとる・・・

その院子(ユエンズ)は既に他の若いロックミュージシャン達も住み着いて、
ちょっとした「ロック村」を形成してしまっている。

平房(平屋の一番安い形式の建物)なので風呂もなければトイレも汲み取りで共同で、
近くにはバスもなければタクシーなどまず通らない。
不便極まりない環境なのだが、
彼らはコミューンとも言えるその仲間達と貧乏ながら楽しく暮らしていた。

好きやなぁ・・・俺・・・こんな感じ・・・

そしてお決まりのように「ここって家賃いくら?」と聞いたりしてみる。
いくつかの部屋が集まって三方を囲み、
中庭を共有した院子(ユエンズ)がいくつか集まってこのロック村を形成しているのだが、
その院子(ユエンズ)ひとつ、3部屋と中庭がついて一月たったの1万円!!!

安い!!!

去年「家を買うぞ!」と決心しhttps://www.funkycorp.jp/funky/ML/97.html
その明け渡しをずーっと待ちながらついに最近ドタキャンに合い
「売らない」と言われてしまったワシである。

「そうじゃ!スタジオを作ってここに引っ越して来よう!!!」

スタジオ作りの費用として大きいのは機材と家賃と防音工事である。
しかしここは家賃はタダ同然だし、ロック村なので別に防音もちょっとしたもんで足りる。
XYZのレコーディングももうすぐ始まるし、
家の頭金として用意した金もほっとけばどうせアルコールに化けてしまって消えるので、
その金で機材を買ってここにスタジオを作り、
飽きたらいつでも機材引き上げて引っ越してゆけばよい。

そうである。
家なんか買って毎月のローンに追われ、
更には100万円近くかけて防音してスタジオを作るなんてナンセンスである。

と言うわけでさっそく家賃を半年分、6万円少々払い、
大きな部屋に壁を作って半分に割ってもらい、隣の部屋を住居にし、
残りの部屋をシャワールームと台所にする。

さすがは貧民街である。
家賃を払ったところで大家は何の契約書を作成するわけでもなく、
壁を作る工事も大家とそこの人夫がやってくれるっつうんで2万5千円ほど渡し、
更には近所の中古市場行って、
クーラー2台とソファーとベッドと机と椅子を買って全部で2万5千円。
これなら別に、もしXYZのレコーディング終って引き払っても痛くはない。

部屋に金をかけるのはポリシーに反するので、
「君らのファーストアルバムをここでタダで録ってやる」
と言う約束でその若いバンドの連中を駆り出して自分達で手作り内装工事をやる。

ペンキ塗りなんて初めてやったわぁ・・・ちょっと楽しい・・・

住居部分がようやく完成し、
ちょうどその日はその住民のひとりが誕生日だと言うのでみんなで飯を食いに行き、
ハッピーバースデーと共にその会はワシの入居祝いにもなった。

住民にも認められ、もうワシはれっきとしたこのロック村の住人である。

北京ロックンロール・ビレッジ、ファンキースタジオは6月にオープン!

外部に貸し出すつもりは一切ないが、宿泊設備と共に利用したい日本の方がいたら、
そりゃ日本より断然安くレコーディングできまっせ!

XYZのレコーディングではアメリカからウェイン・デイヴィスを呼ぶ予定である。
貧民街のくせに国際的やなあ・・・
ウェインもいっそのことそのままここに住み着いてくれんかしら・・・

ファンキー末吉


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