台北に着いた。しかしもちろん俺は降りることは出来ない。

しかし俺だけではなく、「保安のため」と言う理由で、俺のように台北経由香港の旅客はみなここで降りることは出来ないのだ。

う、台湾とはこんなところだったのか・・・

おまけに残された手荷物を全部チェックし、持ち主がいない荷物は不審物として処理される。

飛行機に客が閉じ込められたまま機内の清掃。

こんなんめったに見れんなあ、と盗み撮り。

そして夜中の12時には香港に着いた。

本来ならば7時には台湾に着いて今ごろBEYONDと共にすでにヘベレゲのはずであった。

ついでだから香港に来たんだから仕事をする。

香港のエージェントであるSam JoeとQueenyを呼び出して火鍋をつつき、毎度の安宿(失礼! 李おじさんの民宿)でほっとした時に気づいた。

さっきQueenyに電話した時、ザウルスをそのまま公衆電話んとこ置いて来てしまった。

仕方がないのでC1で撮影。途方にくれる図・・・・

ザウルスの運命は、そしてビザは無事とれるのか、俺は台湾に入れるのか・・・

1999年6月3日朝9時。俺は早起きをして中国旅行社に行った。

懐かしい。まだ大陸へのマルチビザを持ってなかった俺は、いつもここに来てビザを発給してもらってた。

「日本人去台湾的VISA在這儿可以ban ma?」

「在這儿不行」

「へ?」

ここは中国に入るビザだけで台湾は「中華旅行社」と言うところらしい。

探す。

しかし暑い!

空気がじめじめして肌にへばりついて来る。

教えてもらった住所を元に人に聞きつつ探しまくる。

やっとたどり着いた「中華旅行社」

でもここで新たな問題。

ビザを発給する条件に「パスポートの有効期限が半年以上残っていること」とある。

それがないからわざわざここまで来とるんじゃろ!

「今度から台湾に行く時は絶対有効期限を切らせません」

と言う宣誓文を書くことで許してもらう。

子供のままごとかい!

ともあれ無事にVISAをGET!(よいこのみなさんはマネしないように)

思えばこんなかみきれ1枚のために一日走り回ってたのね。

もう16時を過ぎている。台湾に行くぞ!

「もしもし、WING! やっとVISA取れたよ。今からそっち行くからね」

「俺もう香港に向かってるよ。」

「へ?」

「は、は、は。ファンキー! キャセイパシフィックがストのため飛んでないの知ってる? おかげで他の航空会社はおかげで満席。どうせ乗れないよ」

「げ!」

「じゃあ香港で会おう」

そして俺はまた台湾に入れない・・・

続く・・・