ファンキー末吉とその仲間達のひとり言

----第8号----

1999/11/16 06:30

基本的にテレビを見ない俺ではあるが、
「この放送局だけは見る」と言うのがこの
アジア全域をカバーする音楽専門衛星放送「チャンネルV」である。

一説によると5億人は見ているだろうと言うこのチャンネル、
最近はスカイパーフェクTVなどで日本でも見ることが出来る。
だいたい俺はアジア圏に旅行に行くと、
ホテルではずーっとこのチャンネルをつけっ放しにしているのだが、
北京や香港のロッカー達も同じくこのチャンネルのファンが多いらしい。

そんな中のひとりに香港のBEYONDと言うバンドのドラマー「Wing」がいる。
彼も朝から晩までこのチャンネルをかけっぱなしにしているクチなのだが、
ある日e-mailをもらって、そこには
「ファンキー、お前のJazzバンドのライブをチャンネルVで見たよ」
と書いてあった。

ほう・・・

これはきっと、
先日要請があって香港のエージェントに送った五星旗(Five Star Flag)のビデオに違いない。
香港でのライセンスを決めるために動いてくれている。
X.Y.Z..のビデオ(会場のみ限定発売の予定)も頼まれて最近送ったので、
これもそのうち流れるのであろうか・・・

日本人と言えば、
大陸でのコンサートのプロモーションのためパワープレイしているチャゲ&飛鳥とか、
この放送局を金で買い取ったと噂される小室ファミリーを見ることが多いが、
どっちにしろこんな大きなメディアである。
タダで出してもらえるなんぞ光栄のきわみではあるまいか・・・

日本のテレビ番組に出演しても、
さほど感激することもなく恥ずかしさの方がたつのだが、
どうもこのチャンネルにだけはミーハー意識が働くらしい。
「また流れんかなあ・・・」
と毎日チェックしてしまう俺がいた。

半年ほど前、台湾のホテルでかけっぱなしにしてたら、
なんと俺が出ていてびっくらこいたことがあった。
李慧珍と言うシンガーの特集で、
そのレコーディング風景がずーっと流れているのだが、
バナナを食いながらディレクションをしているムサイ男がなんと俺だった。
何でもええがスタジオでバナナ食うなよ、バナナ。

このレコーディングも、
もともとは五星旗(Five Star Flag)のレコーディングで北京に行ってた時、
「ファンキー、助けてよ」
と言うのでその五星旗(Five Star Flag)のスタジオの空き時間で録ってあげたと言うシロモノ。
俺自身、彼女にはただならぬ入れ込みがあり、
また彼女も俺の手によってデビューしてブレイク(その年の新人賞を総ナメ)したため、
お互いにはもう切っても切れない縁である。
事務所やレコード会社とトラブってる彼女に対しての、
楽曲も含めての俺のささやかなるプレゼントであった。
事務所がレコーディング費用も払わないと言うので全部チャラでやってやった。
「今回のこの経費、全部チャラにしてやるから、
その代わり俺のために2曲タダで歌え!」
原始的な物々交換である。
値段計算までしてご丁寧に契約書まで交わしているから面白い。

かくして彼女はX.Y.Z.のシングルのカップリング曲の中国語版を録る時、
そして中華圏で将来X.Y.Z.がライブをやる時、
おぼつかない二井原の中国語をフォローしながらデュエットをやるハメになっている。
あと1曲はまだ貸しね。
それまでもっともっとビッグになっといてね。

さてあれからまだ毎日チャンネルVを見ている。
まあ自宅にいる数時間なので、まだ五星旗(Five Star Flag)の出演には遭遇してないが、
よく遭遇するのがその李慧珍の新曲である。
「おう、あの曲やっと出たのね」
考えてみたら、これほど頻繁に目にすると言うことはとんでもないヘビーローテーションである。
クレジットにはちゃんとFunky末吉と日本語名で入れてある。
ちょっと恥ずかしい。
中国名「方奇」と入れてくれればよかったのに・・・

そう言えば香港から要請されて、五星旗(Five Star Flag)の衣装来てコメント撮ったがね。
う、あれも流れるんやろか・・・

怖いもの見たさでついまたチャンネルVを見てしまう俺であった。

ファンキー末吉

-------------------------------------------
みの吉和尚のひとり言
-------------------------------------------
みの吉和尚とは・・・・

日本人、いやアジア人が初めてアメリカで大成功を収めたハードロックバンド
「ラウドネス」
のボーカルとして、
当時は
「アメリカのハイスクールで今一番流行っていることは何?」
と言う質問に
「ラウドネスの変な英語をマネて歌うこと」
とまで言わしめた、
二井原実のペンネーム。

「アメリカ人は日本製の車に乗り、
日本製のカーステレオで、
日本のハードロックバンドの音楽を聞く」
と大パッシングを受けたその張本人は実はただのアホやった。

「お前英語で喋っててもこんなにアホなんか」
と言う質問に
「自慢やないけどなあ、
バンヘイレンも、モトリークルーも、AC/DCも、
みーんな俺のことアホやと思てるで」
と答えた男。

こんな日本の恥を世界に送り出したのは誰じゃ!

文責:ファンキー末吉
----------------------------------------

みの吉10月20日分

ピノキオである。
わしはここんところピノキオになってもうた。
朝起きるとカクカクと油のきれた器械のようになっている。
足や背中、首の関節がなんかコキコキと言ってるようなそんな感じ。
XYZのライブツアーが始まって既に25本が終わろうとしているが
ちょっぴりガタが来ているようだ。

ラウドネス脱退時(1989年)に自暴自棄になっていて自堕落な生活をしていた頃
見事に太りはじめた。
そんな頃ある雑誌でアースシェイカーのVo.マーシーと対談をやった。
マーシー「最近ジムに凝って、毎日最低2時間は筋肉トレーニングをやっている」
「ほんまかいな・・」と俺
「俺等もいつまでも若くないから今からやっとかなあかんで。
酒も控えてるし、なにより精神衛生上非常に良い」とマーシーの目は輝いていた。
彼の二の腕、腹筋は嫌味な程引き締まり、はち切れんばかりであった。
「ウ〜〜〜ン凄い・・・」とわし。
これはあかんと思ってわしはその日に某スポーツクラブに入会し
その日からがむしゃらにトレーニングを始めた。

これがそもそもの間違いだった。
しっかりトレーナーの話を聞けばええものをひたすらバーベルを上げまくった。
たっぷり着いたぜい肉はしっかり筋肉となり、
わしの体つきは数週間で見事に変わった。

そのころチャチャ丸と一緒にバンドやっていたが、
彼は俺に「お前最近でかなったな」と言った。
「引き締まって来たな」ではなく「でかなったな」である。
どう変わったか?
『太めのプロレスラー』の体型である。(トホホ)
髪は相変わらず超ロングのメタルニーチャンが
スリムな黒のジーンズにタンクトップTシャツである。
その上筋肉むちむち、短足と来たもんだ!
理想とするスリムなロックにーちゃんは遥か彼方まぼろしとなっている・・・
俺は鏡に映る全身を見て「アクセルローズ」じゃなく「長州力」だとつぶやいた。
その日を最後にジムは脱会した・・・・

そしていろいろ研究した結果、痩せるには「有酸素運動」が効果ありと分かった。
泳ぎ倒した。何でもやる事が極端な男である。
毎日1時間泳ぎ倒した。
エアロバイクもやった。
ステアマスターズもやり倒した。
結果、ビールが馬鹿うまになって幸せだった。
食欲旺盛、大量飲酒、・・・・なんのこっちゃ・・・。
食事制限を忘れておったのだ。
摂取カロリー過多である。
こうしてわしの人生の時間は費やされて行く...。

そしてつい最近、
近所の交差点でアースシェイカーのマーシーに5年ぶりぐらい偶然会った。
彼はスポーツタイプのチャリンコであった。
俺「おっ!マーシー!久しぶり!今度11/3ライブよろしくね!」
マーシー「おっ!にーちゃんやんか!久しぶりやな!
こちらこそ新しいバンドXYZ愉しみにしてるからね」
俺「今からどこいくの?」
マーシー「池袋のスタジオでリハーサルやねん」
おいおい、ここから池袋までチャリで行ったら2時間近くかかるだろうに・・・
俺「まじ????!!!」
マーシー「都内の移動はどこでもチャリやねん!健康にいいよ!じゃっ!またね!」
と言ってさっそうと走って行った。
俺は絶句だった。「ようやりはるわ・・・ほんまにこのおっさん」
マーシーの後ろ姿が眩しく、
彼のふくらはぎの筋肉は嫌味な程引き締まり、はちきれんばかりだった。

わしはすぐさまチャリンコの手入れを始めて、駒沢公園へ走ったのは言うまでもない。
マーシー恐るべしである。


戻る