ファンキー末吉とその仲間達のひとり言

----第6号----

1999/10/15 04:40

XYZレコーズとやらを立ち上げて、
金策から契約、出版管理から販促、販推まで一手にさばいているうちに、
「ファンクラブを立ち上げよう」
と言うことになった。
入会案内から名簿作成、入金確認までやってたら当然のごとく・・・
パンクした・・

今や私のパソコンは未処理のMailが山積みである。
プレス工場の見積もり、入金確認の済んでないファン名簿の山、
有料広告のデザイン〆切から受注促進の原稿・・・
いつまでたっても書き上がらない週刊ASCIIの原稿、
いつまでも返事が出せないメル友からのE-mail・・・

そんな山積みの仕事を横目で見ながら、
人はどうしてまたメルマガを書いてしまうのでしょう・・・

うーむ・・・
好きなんやろな、やっぱり・・・
我ながらアホである。

さて今日のお題。

銀座のド真ん中で街頭募金
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昨日は新宿厚生年金で台湾チャリティーコンサートをやった。
五星旗(Five Star Flag)で出演したのだが、
どうしてXYZで出演しなかったかと言うと、
新宿厚生年金会館はいつの間にやら「ロック禁止」になっとったのね・・・

そう言えばはるか昔、
爆風スランプがコンサートをやった時、
MCで館長をネタにしたのが逆鱗にふれ、
終了後に中野とふたりであやまりに行ったことがあったが、
それも厚年ロック禁止の原因の一端ではあるまいか・・・

ともあれ、一応音量はロック並だが肩書きはJazzである五星旗で出演したのだが、
内部事情にどうも納得出来ない部分があり、
日本にいる中国人の知り合いのうち一番の大物(って言い方は失礼だが)の
ジュディー・オングさんにいろいろと相談の電話をしていた時の話である。

「そう言えばジュディーさんも
何やら台湾チャリティーみたいのやるって言う噂じゃないですか」
「やるわよ、明日。銀座のソニービルの前で。
お昼の12時からなんだけど、来る?」
「はあ、まあジュディーさんがやると言うなら僕が行かないわけには・・・」
「あら、よかったわ。そしたら11時半に7Fの会議室に集合だからいらっしゃい」
「はーい」
自分の業務もろくにこなせてないと言うのに人のために募金をしてる場合か!

しかし俺は先日のトルコ大地震の時には何も動かなかった。
・・・と言うより基本的にテレビをあまり見ない俺は、
トルコで大地震があったことすら知らなかった。
友達もいないし、はるか遠くのことだと思ってた。
でも台湾には友達もいるし、縁もありまくりである。
一般的日本人にとってはこの台湾大地震ってのは
あのトルコ大地震の時の俺と同じような感覚なのではあるまいか。
まあせっかく縁があるんだから、
ひとりでも多くに縁をばら撒くこともこの俺の出来ることのひとつではあるまいか。

実のところ昼の12時には人と会う約束をしてたのだが、
その時間を早めてもらい、打ち合わせを早く切り上げ、
約束通り11時半にはソニービルに着いた。

「あのう・・・ジュディーさんは・・・」
「はい、ジュディーさんはまだお越しになってないんですけど、
どうぞ中に入ってお待ち下さい」

中に通されてみてびっくり!
どっかで見たような人ばかりの顔ぶれが一斉にこっちを向く・・・

「あのう・・・ファンキー末吉と申しますが・・・」
「は?」
「はあ、爆風スランプのファンキー末吉と申すものですが・・・」
「ああ、爆風スランプの方・・・」
一番よく見る顔の人がにこにこと笑いながら俺を呼び寄せる。
こう言う場ではやはり爆風スランプのネームは役に立つ。
「爆風スランプの誰さんでしたっけ?」
「ファンキー末吉です」
ファンキー末吉と紙に書いてゆく。
その紙の一番上にはこう書かれていた。
「台湾中部大地震 緊急救援街頭募金 主催:歌で結ぶ絆の会」
そしてゲストの欄にはこんな名前が・・・
橋幸夫、にしきのあきら、黛ジュン、今陽子、山本リンダ、ジュディー・オング・・・・・
そして一番下にはその頭である橋幸夫さんの手によってかかれた俺の名前・・・
そして次々と現れる「よく見る顔」の人々・・・
「ここはどこじゃい!テレビ局かい!」
ってな感じである。
習性のように一番隅っこに退避し、
ズボンをはき忘れて会社の入社式に参列した時のような気持ちで
(わかるかな・・・こんな感覚・・・)
しばし呆然とたたずんでいるとジュディーさんが西田ひかるちゃんと共に現れた。
よく見る顔の人々としばしの歓談を交わした後、
俺の存在に気づいてやっと声をかけてくれた。
「あーら、ファンキーさんいらっしゃい。
みなさんに紹介するわ」
「は、はあ。もう自分で自己紹介はしましたが・・・」
「あらそう、それはよかったわ。
みなさん、こちらは爆風スランプのファンキーさん。
昨日突然参加して下さることになったんですのよ」
俺はもうジュディーさんのとなりにいるしか居場所はない。
「ジュディーさん、街角で募金するって言うから、
僕はてっきりゲリラでやるんだと思ってこんな格好で・・・」
「あらみなさんだって普段着だわよ。気にすることないのよ。
ファンキーさんはいつものファンキーさんでいいの」
そのいつもの格好がスター達とは根本的に違うんやけどなあ・・・
マネージャ軍団と絆の会のスタッフが早々と俺用のプラカードを作ってくれる。
「すみませんが手書きになっちゃうけどこれでいいですか」
「ファンキー末吉(バクスラ)」とかかれたそのプラカード、
それはいいんだけど一体どう使われるの・・・
「本人達がそれ持つわけにはいかないから、
各マネージャーさん達、後ろでそれぞれ持ったげてね」
「スターにしきの」がそうおっしゃるが、
俺にいたってはたったひとりでふらっと来てるので
マネージャーなどいるはずもない。
こりゃ俺だけ自分でプラカードを持つハメになるんじゃあるまいか・・・
「ちょっとトイレに・・・」
ほんとは逃げて帰りたかったが、それではジュディーさんの顔をつぶしてしまう。
トイレで事務所に電話する。
「誰か動ける奴おらんか。
すぐに一人よこしてくれ! 今すぐ誰か来させてくれー!」
叫びが悲痛である。

部屋に戻ると、発起人の橋幸夫さんが趣旨説明をしていた。
テーブルの上には昼食のカレーが並ぶ。
「あ、みなさん。
今回はチャリティーと言うことで、すみませんがこれは自腹でお願いします。
1000円です」
う・・・
俺の財布には536円しか入ってない・・・
まさかこの場で「お金がありません」と言う勇気はないし、
ほんと、消えてなくなりたい気分である。
「お腹がいっぱいで・・・」
と言って後からいらっしゃった清水アキラさんに何とか食べてもらう。
前の打ち合わせで軽く食べたのでよかったが、
実のところ腹が減ってたりしたらあまりに情けなさ過ぎる・・・


「時間です」
とスタッフに言われ、1Fに降りて行くと、
そこにはすでに取材陣の山、人だかりである。
みんなそれぞれマイクを持ってテレビカメラの前で道行く人に募金を募る。
「みなさーん! 山本リンダですぅ。
台湾の大地震の被災者のために募金をお願いしまーすぅ。
こちらには橋幸夫さんもいますよ。
にしきのあきらさんもジュディー・オングさんもいますよ。
そして、黛ジュンさん、今陽子さん、清水アキラさん、西田ひかるちゃん、
そして・・・えーっと・・・」
俺の番になると誰が喋ってても必ず名前が出て来ない。
そりゃそうだ、初対面もいいとこなのだ。
そして誰がどう見ても一番無名である。

取材陣のカメラなど一台もこっち向いてない。
「みなさん! 絆の会の橋幸夫です。
今日は歌手仲間が集まってみなさまに募金のお願いに来ました」
そして俺だけ歌手ではない。
誰がどう見ても場違いである。
となりの西田ひかるちゃんに隠れるように募金箱を持って凍っていると、
並んでいた人達が我々のいる所に順番に入って来て募金を入れてゆく。

しかし!
考えて見たまえ!
世の一般の人が同じ金を入れるとしたら、
「スターにしきの」と「いちドラマー」の募金箱、どっちに入れる?
「西田ひかる」と「40のオッサン」の募金箱、どっちに入れる?
当然ながら俺以外の人のところに募金は殺到し、
我さきに握手を求めて去ってゆく。
中には小銭を少しづつみんなの募金箱に入れてゆく人もいて、
やっと俺の箱にも小銭が入ると、冗談でなくとても嬉しかったりした。

そんな中、俺の箱にもついにお札が!・・・
あるおばはんがなんと、全員の募金箱に1000円ずつ入れていったのだ。
凄い!
おばはんは凄い!
そしてそれをさせるスター達は凄い!

よく見てると、なんとそのおばはんはさっきからもう何周もしているではないか!
最後には札ではなく小銭になったが、
それでももうかなり多額の募金をしたことだろう・・・
凄いもんじゃ・・・


結局俺のところは小銭しか集まらなかったが、
全体的にはかなりたくさんの募金が集まった。
そしてしまいには結構楽しんでしまったりした俺がいた。

絆の会のみなさんはそれはそれはフレンドリーで、
この場違いな田舎モンを優しく、ほんとに暖かく迎えてくれた。
何にもお役にたてなくてごめんなさい。
今度音楽でお役に立てることがあったらまた呼んで下さい。

募金してくれた人たち、ほんとにありがとう。
気を使ってくれたスタッフのみなさん、ほんとにありがとう。
そして最後に・・・
カレー代1000円払ってくれた人、どうもありがとう。
(結局払うに払えんかった自分が情けない)


この模様、明日のワイドショーに流れるんだろうか・・・
いっそのこと全然写ってなかったらまだいいが、
ちょっとだけ写ってたらやっぱり恥ずかしい。

ドラマーはやっぱスティック持ってなんぼやなあ・・・

ファンキー末吉


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