ファンキー末吉とその仲間達のひとり言

----第122号----

2007/02/06 (火) 8:03

----------------------------------------------------------------------
泥棒
----------------------------------------------------------------------

先日のことである。

草木も眠る丑三つ時。
嫁のけたたましい声で目を覚ます。

「パパ!!起きて!!泥棒よ!!」

院子の外の大門ががちゃがちゃ鳴り、外では犬がけたたましく鳴いている。
だいたいうちに泥棒が入ると言うのは普通では考えにくい。
うちの院子の外の大門が夜になると閉まるので、
(と言っても鍵はかかってはいないが)
その門を開け、うちの院子の門を開け、
そしてうちの寝室の門を開けて忍び込むのだから大変である。
見知らぬ人が入れば犬は吼えるわ、周りのロッカー達には見つかるわ、
通常ならば外部からはなかなか泥棒には入りにくいシチュエイションである。

(院子の全体地図:https://www.funkyblog.jp/YuanziMap1.JPG

ところが泥棒は入った。
外の大門ががしゃがしゃいっているところを見ると外部の人間である。

「盗まれたものはないか?!!」

見れば枕元のテーブルに置いてある嫁の携帯がふたつともなくなっている。
(ひとつは日本の、ひとつは中国の)
ワシの中国の携帯は枕元で充電していたので無事だったが、
寝室の入り口に無造作に置いてあった日本の携帯は見事に盗まれていた。
夜型の生活を送る重田はまだ起きていて、
ちょうどヘッドホンをしていたので物音は聞こえなかったと言う。

(犯人の進入経路:https://www.funkyblog.jp/YuanziMap2.JPG

スタジオには500万円とも言われる高級機材があり、
リハーサルルームにはドラムやギターアンプ、ベースアンプ、
そして簡易レコーディングが出来る録音システムもあるが、
それらには目もくれず、犯人は外の大門を開け、
カギをかけてないワシの院子の門を開け、
そしてその日たまたまカギをかけずに寝てたワシらの寝室にわき目も振らず直行し、
大胆不敵にも嫁がフゲーっと(かどうかは知らんが)寝ている
そのすぐ隣の携帯電話をわしづかみにし、
そして帰る時にドアの横に置いてあるワシの携帯を持ち、
ジャラジャラとうるさいキーをつけたそのケースをドアの外に捨て、
一目散に外に逃げて行ったと見える。

ワシはすぐさま3つの携帯に電話をしたが、
電源をじゅんぐりに切られ、最後にはどの電話も鳴らなくなった。
重田はすぐさま外に追いかけて行ったが、その姿を見つけることは出来なかった。

嫁の中国の電話はプリペイド式なので、
今チャージされてる分を使い切ったらそれで終わりなのでよいが、
日本の電話はこちらでローミングされており、
そんなもんでじゃんじゃん電話されたらたまらないので
すぐさまSoftBankに国際電話して電話を止めてもらった。

腹が立つのは日本の電話はSIMロックがかかっているため、
こちらではROMを焼きなおすとか、
大改造をしないと使えないのに盗まれてしまったことである。
盗んだ者にとって実は何も価値がないのに盗まれたと言うのが
今となってはくやしくてたまらない。

今はこれにこりて、夜中は必ず院子の門と寝室のドアにはカギをかけて寝ているが、
しかし腹の虫はおさまらない。
犯人は必ず現場に戻って来ると言うので、
今度はいろいろ仕掛けをして報復してやれと頭をめぐらす。

1、犯人がドアを開けたら上から金タライが落ちてくる!
(ドリフターズ的で楽しいが、その割に犯人に与えるダメージが少ない)

2、ドアを開けたら頭から水をぶっかぶる!
(冬なので効果てき面だが、水は夜中には凍ってしまう可能性もある)

3、水ではなく満載したうんこをひっかぶる!
(精神的に与えるダメージは最高級だが、後の掃除が大変である)

4、日本のATMで使われている特殊塗料入りのボールが炸裂する!
(後の追跡にとっても効果的だが、中国では入手困難である)

5、院子の門が鉄製なので電流を流しておく。
(電気代が高い)

6、門を開けた途端に打ち上げ花火の水平発射!
(発火装置の製作が難しい)

7、長い竹を水平に思いっきりしならせて、
一歩中に入ったらいきなり顔面にハリセンをかませる!
(ちょうど顔面に当たるように調整するのが難しい)

アイデアとしてはいろいろ出るのじゃが、
それを実現するための仕掛けを実際に作るのは実は非常に骨が折れる。

実は仕掛けとして一番簡単なのは手榴弾なのである。
うちの院子の門は写真のような掛け金でカギを止めるようになっているので
(門の掛け金:https://www.funkyblog.jp/MenYaoShi.jpg
その掛け金の一方に手榴弾のピンを結びつけて置くだけで、
門を開けばその力でピンが抜け、手榴弾が落下し爆発・・・
一番簡単な仕掛けである。

しかし院子まで全部爆破してしまっては元も子もないので
殺傷半径1メートルぐらいの手榴弾がないかどうか専門家に聞いてみたら、
(周りにそんな専門家がいるんだからワシの交友関係も大したもんである)
なんと練習用の手榴弾がちょうど殺傷半径1メートルぐらいだと言う話である。

これはいい!と思っていたらそこには大きな穴があった。
よく映画なんかで見る手榴弾は、
ピンをかっこよく口かなんかで抜いてそのまま投げて爆発しているように見えるが、
実際はピンを抜いてから手榴弾のケツを何かにぶつけてから投げるらしい。
つまり、ピンを抜く、手榴弾のケツを何かにぶつける、
と言う2アクションが必要だと言うことである。

と言うわけで手榴弾は却下・・・

そんなこんなでその後も日々いろんなアイデアを考えているのじゃが、
何よりも犯人の捕獲を目的とすると、犯人を門のところで撃退するのではなく、
中まで引き入れてから仕掛けが作動するような時差装置が必要である。
出来れば仕掛けが作動してから門を閉めてしまい、
それからゆっくり犯人をいたぶるのが望ましい。

何かそんな時差装置はないか・・・
そんなある日、高知の子供たちに電話をしてたら
向こうからテレビの音が聞こえて来た。

「ピタゴラスイッチ」

そうだ!
この教育番組のピタゴラスイッチこそその理想の時差装置ではないか!!!
毎週このコーナーの始まりには、
スイッチを入れると鉄球等が転がっていろんな仕掛けをONにしてゆき、
最後には「ピタゴラスイッチ」と言うタイトルが出てくるこの装置こそが理想の時差装置である。

犯人が院子のドアを開ける。
その時にこのピタゴラスイッチはONとなり、
犯人の気づかないところでレールの上を鉄球がゆっくり転がってゆく。

レールの端まで来ると玉は籠の中に静かに落ち、
その籠が重さで下に下がることにより、
次のふたつのレールの鉄球のストッパーが外れ、別のレールを転がり始まる。
ひとつは向かいに住む老呉の寝室まで転がって、
彼の枕元のブザーのスイッチを押し彼を起こす。
もうひとつは寝室の中の敷布団の下に敷いたマッサージの機械のスイッチを入れ、
ワシら夫婦を音もなく振動で起こす。

ワシらが実は目を覚ましていることを知らない泥棒は、
わざとカギをしていない寝室のドアをそっと開ける。
寝室のドアは内開きなので、
ドアに取り付けたヒモは
ドアの入り口の上に置いてある洗面器を支えてあるつっかえ棒を引っ張り、
つっかえ棒が外れた洗面器は中に入った水を泥棒の頭からぶちまけると共に、
その洗面器に取り付けられたヒモが引っ張られ、
院子の入り口に仕掛けてあるシャッターの留め金を外し、
シャッターが勢いよく音を立てて閉まると共に
泥棒が最後に見るのはそのシャッターに書かれた文字。

「アホが見るブタのケツ!」

それを最後に泥棒は視力を失う。
何故ならば洗面器に入っている水は、
ただの水ではなく唐辛子入りの激辛水だからである。

焼けるような目の痛さに藁をもつかむ思いでそばにある藁をつかむと、
今度は頭上から臼が落ちて来る。
臼には栗が真っ赤に焼かれて待機していて
ここぞとばかりに泥棒目がけてはじけ飛んでゆく。

「うわっちっち!これはたまらん」

とばかり泥棒は手探りで風呂場まで行くのだが、
飛び込んだ浴槽の水の中にはカニがかくれていて、
泥棒の大事なところをチョッキンと攻撃する。

「んぎゃー!」

と声にならない悲鳴を上げた泥棒はここでウンコを満載したバケツにけつまづき、
頭からウンコをひっかぶり命からがら浴室から脱出する。
その頃になってピタゴラスイッチの時差装置によってやっと発火装置に火がついた打ち上げ花火が一斉に水平発射を始める。

「たまや〜かぎや〜」

そう、狙いはひたすらタマである。
タマを直撃された泥棒はあまりの痛さに失禁し、
その尿が床に滴り落ちた瞬間に
床に流された220Vの電流がそのまま尿を伝わってタマタマを襲う。
命からがら院子の出口までたどり着いた泥棒は
狂ったようにそのシャッターを蹴破り、院子の鉄製のドアに手をやった瞬間に
「ジュッ・・・」
っとおいしそうな音がして手が焼け焦げる。

「あちちちち」

とばかり傍らの洗面器に手を突っ込むと、
その中に入っているのは水ではなく瞬間接着剤A液である。
ピタゴラスイッチによって既に電気で真っ赤に焼かれた鉄製のドアの熱で、
その頃には天井に留めてあったプラスチックの留め金が溶けて
頭上からB液が落ちて来て泥棒にひっかかる。
もんどおり打って床に手を着いた泥棒はそのまま床に手が瞬間接着されてしまい、
そのまま両手を床につけたまま逃げようと腰を上げるが、
その尻めがけて強力なハリセンが飛んでくる。
尻を真っ赤に腫らせて動けない泥棒はそのまま尻を上げたまま許しを請う。

「もう悪いことはしません。どうか許してください」

その頃ゆうゆうと起き出して来たワシら夫婦と老呉は、
1枚の契約書を泥棒につきつける。
ずーっと一連を撮影していたビデオの肖像権等を放棄する契約書である。
サインをすることを条件に泥棒を解放してやり、
ワシらはそれをネットにUPして大儲けをしよう、そう言う魂胆である。

こんなおもろいビデオ、ネットにUPしたら数千万Hitは間違いない!
早く来い来い泥棒さん。
ピタゴラスイッチが待っている。

しかしほんまに作れるんやろか・・・
ほいでもって酔っ払って自分がひっかかったらどうしよう・・・

ファンキー末吉


戻る